街中を歩いてると自分より年配の女性に目がいってしかたない。

多分自分に更年期障害がではじめたせいだと思う。はっきり現れ出したのはホットフラッシュだけど、ああこれが更年期かと思うと、すべてのことは実は更年期が原因のような気がして来た。更年期というかそういう年だってことなんだろうけど、病気があれこれ勃発し出したのも年のせいが大きいだろう。

街中で見かける年配の女性たち、髪が細ってきて腰がなく薄くなり、白髪が染めてはいても手入れが追いつかなくて頭頂部が丸く白い。筋肉は落ち、肌はたるんでぶよぶよで、お尻は下がり、顔は不自然に時代遅れの厚化粧、またはノーメーク。みな同じように安っぽく汚い色のダラリとした服を着て、やはり似たような帽子をかぶっていたり。

どう見ても汚いとしか思えない人ばかりとすれ違う。

ああ、わたしももうこの域に足を踏み入れたんだ。どんどん顔も体も薄汚くたるみ、十把一絡げのおばさんになっていくのだ。足を引きずっている人、杖をついてゆっくり歩いている人、体が傾いていてどう見ても病気だろうと思う人。少し前まではそういう人たちが住む世界は自分とは無関係の世界だった。いずれそうなるなんて意識はなく、自分は年取っていってら、また別の世界に入っていく程度にしか思っていなかった。

しかしもう足を踏み入れてしまったんだ。更年期はひどくなり、顔のカンパンは広がり、白髪の髪はヘアカラーでは隠しきれなくなっていく。収入は減り着るものも今よりもっと安物か、もしくは新しいものなんて買えない。しょうがないからいつの時代のものかも分からない服着て、買物へでかける。

見た目の汚さが増すと同時に病気もどんどん増えていくんだろう。今だって一病息災を越えてしまっている。病院がよいが更に増え、街中へ出ていく回数よりも病院へ行く回数の方が増えるんだろう。痛みは慢性化し、または入院や手術が必要となり、回復が望めない病気になったり入院生活を強いられたり、脳梗塞心筋梗塞などで麻痺が残って普通に歩いたりしゃべったり食事したり、そんなことすら出来なくなる可能性もある。

そう考えていると年を取っていくことは汚く病気になることだけで、何もいいことがない。汚い上に病気なんて・・・ それでもみんな生きているんだ。

他人のことばかり汚いといってひどい奴だと思われるだろうが、歩きながら他人を眺めているときは自分の事が見えていないのだ。たまに鏡を見ると伸びてしまった白髪や広がっているシミやたるんだ輪郭にぞっとしてはいるんだけど、他人を見てる時はそれを忘れてしまい、若いままの自分の目線だけがそこにあるのだ。

きっと他の人から見たら、わたしもただの汚いおばさんなんだろう。年からいったらもうとっくにおばさんなんだから仕方ないのだが、子供すらいないせいかわたしは諦めが悪いのだ。現在の程度でこれ以上汚く病気になりたくないと思うなら、線路を途中で降りるしかないんだが。

これでなにか才能があるとか稼ぎがいいとか、性格がいいとか内面に取り柄があるならまだ外見も気にならないのだろうが、それらがないのでせめて見た目だけでもどうにかならないかと思ってしまう。

もうどうにかするにも遅すぎるし、時間は誰にでも公平なものだから時間の電車に乗ってる限りは同じ方向へ向かうのは避けられない。

別の誰かの体を借りて自分を見てみたら、一体どんな風に見えるのだろう。