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今から10年ほど前、人生初の大うつになったときのことは、本当に断片的にしか覚えていない。

春先、暖房のきいた部屋で友達が送ってくれたエンヤのCDを聴きながら植木の手入れをしたこと、クリニックに行くたびに先生に「薄紙をはぐようによくなりますから」と毎回毎回何度も何度もいわれ気が遠くなるような思いをしていたこと、死んでしまうほかないという思いに、いつも自分の顔が床にぐいぐい踏みつけられているような気持ちで日々を送っていたこと、牛肉を食べると幸福感を得られるとテレビでやっていたので、母親が翌日牛肉を買ってきて食べさせてくれたこと。

1日が過ぎていくのが果てしのない時間に思え(やることがなくて時間が過ぎるのをひたすら待つしかない日々だったから)、夜寝るときになると「あぁ、また寝て起きたら果てしのない1日の時間を耐えなければならないのか・・・」と思い、毎夜絶望的な気持ちになっていた。

しかし、毎日顔を洗っていたのか、お風呂に入っていたのか、近所くらいは出かけていたのか?そのあたりの細かいことは何も覚えていない。何ヶ月の間がそういう状態で、どのあたりから快方していったのか。覚えてない。あー、でもよくなり出したころ、青山にあった着物屋を見に行った記憶がある。

大そうは1年くらいつづいたんだから、大うつもおなじくらいつづいたんだろうな。

そうからうつへと落ちていくとき、本当に天井近くにふわふわ浮いていた自分が、だんだん床に降りてきているという実感があった。地に足がつくとはこういうことなんだなと思ったけど、地に着くどころかそのまま地下までめり込んでいった。

あの時は今回のような恐怖心はなかったが、もっとひどくて深い不安や絶望感、別のタイプの恐怖もあったんだろうな。

つい気持ちは焦ってしまうけど、少し甘やかしてあげよう。

自分を守ることは、自分を愛すること。