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北斎展でも見にいこうかと思ったんだけど、北斎ばっかみてもつまんないなと美術館スケジュールをチェックしていたら、アミューズミュージアムというところで、おもしろそうなテキスタイルアートの展示をやっていたので行ってみた。

アミューズというのは、あのプロダクションのアミューズなんだね。アミューズは確か渋谷で映画館もやってるでしょ。ぜひスマイルにも中古アナログ盤博物館とかやって欲しいものである。達郎の写真館でもいいけど。

はじめに見たのは、ある民俗学者の人が青森で集めたという、昔のボロの数々。ボロといっても花子とアンの花子の実家のような家で作られ使っていたと思われる、布団か衣類の数々。物のない時代だから、服というより布自体が貴重品、だからリサイクルという軽い感覚ではなく、使えなくなった布物を集め、切って貼ったりつないで、布団や衣類に再生させたものが展示されていた。染めるといっても、庶民にとって当時は藍しかなかったようで、色があるといってもせいぜいブルー。布団といっても真綿もなく、麻やら綿やらを重ねて重ねて、それを細かい針目で刺し子にして、薄くて重い重いものだった。触ったり写真を撮ってもいいそうだ。

このフロアで、わたしはもう重苦しい気分でいっぱいになる。たくさんの工夫がされていて、実際のものを見る機会なんてないし、とても貴重な経験なんだろうけど、とても楽しいとかおもしろいって気分にはなれなかった。

次は東北の南部菱刺しという刺繍のエプロンが展示されていた。こちらも布一面にびっちり刺繍されていて、防寒や補強の意味と同時に、貴重な色付きの毛糸などが手に入ると、刺繍は華やかになり晴れ着にもなったようだ。

つぎはぎのボロといっしょなんだけど、おなじフロアに過去の多くの人たちが思いを込めてつくったものが展示されていると、わたしはその人たちの気みたいなものに押し潰されそうになってしまう。

自分がたまに物を作るくせに矛盾しているが、わたしは手づくり感というものが嫌いで、どうしたらそういう感じが消せるだろうかと考えてしまう。

シラス正子は昔から好きじゃないが、そういう手づくり感溢れるものに囲まれて暮らしたいなんて全然思わない。でも、人がつくっていないものなんて、ほとんどないのにね。

いつも表面的でプラスチック的で、人の思いなどが感じられないようなものの中にいたほうが快適だ。

まー、自分がそれだけ薄っぺらで、人の気を受けとめるほどの器もないってことだと思うけどね。

ただ、パッチワークってことばがチャラいと感じるような、貧困や寒さ切なさを感じるボロたちには、やっぱりなにか見習うべきところがある気はした。

物を大切にしましょ〜う! って、そういうことではないと思いますが。

写真はこのミュージアムのビルの屋上からのもの。背後にはスカイツリーがそびえていましたが、見晴らしが最高! あんなところでバーベキューしながら花火見物なんて最高だ。

もしかしたらサザンも来ているのかもね。