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公園の出口に向かって歩いているとき、70代くらいの背の高い青いウインドブレーカーにジーンズの男性が、コンパクトカメラを手に前を歩いていた。
公園を出ていっしょに左に曲がると、引退した大学教授のようにも見えるその知的で端正な顔立ちのその男性は、塀の切れ目をまた左に入っていった。
そのあたりから増上寺がはじまっていて、後ろに東京タワーが見えてくることは、地元のわたしなら当たり前に知っているが、建物の脇から突然タワーが現れた光景にその男性が少しだけ驚き、少しだけ感動したのは後ろ姿に大きな変化がなくてもわかった。
そこで小さなカメラを出してその景色を写したかどうがまでは、見届けなかったけれど。
多分だが、あの身軽な格好からすると彼は旅行者だ。
知らない町をカメラを手に、気ままに歩いている人にしたら、よいコースだと思ったと思う。日本人かパリの街を歩いていて、寺院の脇から当然エッフェル塔が顔を見せたようなもんだから。
だからなに。
なにってわけじゃない。
わたしは知ってて、あの人は知らなかったってだけの話。