無題

大好きな映画に「君といた夏」というジュディ・フォスターとマーク・ハーモンのがある。

枠からはみ出た、でもチャーミングないとこのお姉ちゃんがいて、彼女とひと夏を過ごすはなし。その後音沙汰なくなって、大人になってから自殺して、遺骨をあんたに託すって遺言残され、大人になった男の子が、遺骨を納める場所を探し歩く。

はすっぱでいいんだな、ジュディフォスターの役が。そのくせ儚く消えてってしまう。

あの映画が好きなのは、わたしもあんな存在になりたいと心の底で思っているんだろう。

今日は甥っ子が来て、みんなで夕飯を食べることになった。

材料がないから、2人でスーパーへ行った。大した量の買物ではなかったが、甥っ子は2つにわけた荷物を、オレが両方もってあげるよ、いつもママのを持ってて肩は強いんだといった。まだ背も対して高くなく、ひよひよなよなよのガキだ。

帰り道、小学校の時は女の子に結構人気があったんだよとか、男子校だから女の子と会う機会がないとか、きっと親には話さないようなことを何げなく話しはじめた。わたしもとっておきの話題を出そうと、小学校の初恋の話をした。なーんだふられちゃったんだー!といわれた。ふん!

家に帰って、彼はかぼちゃのコロッケを手伝ってくれた。チンしたかぼちゃをマッシュして、味付けした挽肉をまぜ、手をベタベタにしながらボールにして、小麦粉を牛乳で溶いたものとパン粉をつけ、小さな片手鍋てきれいにあげてくれた。

甥っ子が食べたいといったきゅうりの浅漬けを作っている最中わたしは調子が悪くなり、薬を飲んで、キッチンにスツールを持って来てしばらく座り、時々母親と二人のときわたしが死んじゃったら、母親はなにもできないので恐くなると妹に話した。

みんなが帰り、わたしは台所の片付けをおおかた終えて、座椅子にもたれてテレビを見る。楽しいことがあると、どうして人はそのあと空虚感を感じるんだろうね。いい余韻だけ残すことって昔からまずない。

わたしが儚いタイプじゃないといいなと思うんだけど。