経過報告

Untitled

 

 

水疱瘡だか帯状疱疹だか、顔などに発疹が出て熱もあり、ショートステイから帰されデイサービスへも行けなかったせいか、今日の母親の目は一日どんよりして生気がなかった。

寝る前にくだらない笑い話をあれこれするなかで、母親がわたしに「昼間お風呂に行ったでしょ」といった。

確かアッコにおまかせの途中からだったと思うが、わたしはお風呂に入るためしばらく母親の前から姿を消した。

そういう時母親は、きっと自分がなんでここにいるんだろうとか、なんで一人なんだろうとか、そんなことをぼんやり考えているんだろうと思っていたが、意外にもわたしがお風呂で姿が見えなかったのをはっきり覚えているようだった。あとでもう一度聞いてみたが、おなじことをいったから。

夕方一緒にスーパーへ買物にいったが、そのことは覚えていないといった。途中横断歩道から歩道へあがるほんの少しの段差に車椅子でつっこみ、あやうく母親を道路へ放り出すところだったのだが、どきっとしたのはわたしだけで、いつもの乱暴な運転?になれているのか、そのことさえ印象に残っていないようだった。

認知症は短気記憶から衰えていくが昔の記憶は結構残っているといわれているらしいが、母親は最近のことも昔のこともたった今のことも、どれもおなじように覚えていない。だからわたしのお風呂のことを覚えていたのは驚きだった。

よく思う。そのだんだん小さくなっていく脳で、いったい何を考えているんだろうと。砂川啓介大山のぶ代の頭のなかに入ってみたいと書いていた。

今夜のごはんはすき焼きだった。肉売場の前でパックをいくつか手にとり、結局安い和牛の切り落としにしたが、やはり煮たら固くなり、歯があまりない母親にとってはせっかく大好きなすき焼きなのに美味しくなかったようだ。「安い肉にしないで、やっぱり奮発して高いのにすればよかったね」といったらそうよといっていたので、すき焼きがいまいちだったのも珍しく記憶に残ったのかもしれない。

時々自分が脳科学者とかだったらよかったのにと思うことがある。脳神経外科医?いや内科医かな?ちゃんと知識をもって研究できれば、もっと認知症の脳のことが分かるような気がする。今だって毎日毎日一番近くで観察してるから、わたしだけが分かるってこともある。

 

すき焼きには牛脂がなかったので、コレステロールがつかないサラダオイルにえごま油を加えたが、それがすき焼きをさらに美味しくなくしたと思う。

えごま油ってなんか臭いがあって好きになれないのだが、それは魚みたいな生臭さじゃないかって、今日はじめて思った。ごま油やオリーブオイルの匂いは気にならないのにな。ココナッツオイルも買ってみたほうがいいんだろうか?